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プロが教える!くらしのお役立ちメモ

人間関係に疲れました 長袖ヶ浦くんインタビュー 3

セラピールームちるどれん 鈴木 明美

不登校、引きこもり家族セラピストの鈴木明美です。

不登校、引きこもりのご本人や家族の体験インタビューを情報の一つとしてお届けします。

ご本人の言葉の微妙な意味合いが変わらないように、ほとんど編集を入れず話し言葉のまま掲載します。

NPO法人ニュースタートの寮生 長袖ヶ浦(N)くん

 

前の記事(2.高校で挫折しました)を読む

1 人間関係に疲れました

 

Q: アルバイトから社員登用になるまでのことを聞かせてくれる?

 

長袖ヶ浦くん(N): 

パチンコ屋の社員になるまでは、一か所の店で働きました。

 

早番遅番がある職場で、あれやってない、これやってないってお互いに不満はあったけど、人間関係は良好で上司にもかわいがってもらいました。

 

ある日、「本社行ってきなよ。」と上司から言われ、「いよいよ俺も時給があがるのか。」と思って行って、テストを受けて、面接して、「社員になるけど大丈夫?」って言われて、「何を言ってるんだ?」っていう感じで(笑)。

 

社員になりました。

 

Q: そこでの経験を今振り返るとどう?

N: 仕事自体は楽しかったです。 ただ、社員になると異動があって、後半は人間関係に疲れました。

 

3つ目の店に移って、まだ21歳~22歳くらいである程度の役職にぽんぽんぽんと上がって、同期のアルバイト、第二新卒、新卒のひとつの組の中では一番でした。

 

アルバイトの子たちの方が年上で、仕事では後輩で、ある程度のけじめはつけてやっていたんですが、社員になると相談事が舞い込むようになりました。

 

アルバイト時代から会っていた人達もいて、彼らにとっては相談しやすい相手だったんですね。

 

プライベートじゃなくて、上司として相談を受けているという気持ちになっちゃうと、どうしても無碍(むげ)にはできなくて、最初は惚れたはれただ、なんだかんだと相談が来たんです。

 

保険会社に就職した子からは、「ノルマ達成しなきゃいけないから保険に入って」だとか、W不倫していた人の奥さんから電話がきたりとか、「お金貸してほしい」とか・・・。

N: ある時、“俺、何やってるんだろう?“って。

真面目に相談を受けすぎちゃって、突っぱねられなかったんで、そういうのが嫌になったっていうのと、

 

仕事の方では、お店としての考えと経営する人の会社全体の考えって、どうしても差異が生まれるじゃないですか。

 

予算を出してくれないのに、利益を上げろって言ってくることへの不平もあったし、自分を取り立ててくれていた上司の方々があいついで社を離れて行ったこともあって、働くモチベーションの糸がプツっとキレちゃって、「辞めます。」と!

 

でも、半年前に伝えて、ボーナスもらって円満退社しました。

Q: その後は?

 

N: ある程度の貯金があったので、ピースボートに乗って、リフレッシュしようと思っていたんですけど、結果的には自分的には違ったなぁ・・・っていうのがあります。

 

100日以上、同じ船の上で600人~700人が生活をしていると、最初はお互い気を使うんですけど、だんだん悪い意味で遠慮がなくなってくるっていうのがあって、人間関係の嫌な部分、高齢の方の衝突とかが頻繁に起きるようになってきてました。

 

“人付き合いメンドウクサイ!”っていう思いがあって、自分の中でいいものを求めてピースボートに乗ったのに、

目の前にまたそういうことが起こってメンドウクサイ!ってなっちゃいました。

Q: メンドウクサイ!って状況を具体的に聞かせてくれる?

 

ピースボートの中って、サークル活動みたいなことが出来るんです。

 

社交ダンス、ヨガとかいろんなインストラクターをやっている人が乗ってきたりすると、時間とかを決めて、「ヨガ教室をやります。」ってなるんです。

 

すると、「わたしもやってたのよ。」って人達が、キャンキャンキャンキャン言い出すんです。

 

「ここはああした方がいい。こうしたほうがいい。」ってね。

 

“自分のやり方が正しいんだ“みたいに思っている人がぶつかり始めると、そこに参加している人たちがゲッソリした感じになっちゃって、そういうのを何度も見てると、

 

「ああ~、メンドウクサイ!」

 

ってなりました。

 

それは、後半です。前半は、ボランティアでやってくれてるんだからと思って参加していました。

 

Q: ピースボートの体験から得たものはある?

 

N: 他人に期待しすぎても仕様がないなって。

自分がこうであったらいいな、こうなって欲しいなって、あるじゃないですか。

 

今の寮の食堂のシフトに入っていても、「自分からやってるから、相手も自分からやってくれたらいいな」って思っても、思うように動いてくれる訳ないんですよね。

 

寮生活で、「共有の物は綺麗に使ってくれるといいな」という期待をしていると、そうでない人がいた時に、”イラッ!“とするけど、”元々そういうことが出来ない人もいるんだ”って、今は思える。

 

他人に対する期待値が低くはなりました。

 

共有のスペースだけど、自分の布団をもってきて寝ちゃう人とか、相部屋でも自分の荷物が部屋の半分以上占領しちゃっている人とか、当番を絶対こいつやってないだろうなっていう人とかいるんですが、

 

彼は出来ないんだから求めても仕様がないなって。

 

良識とか常識とかを相手に求めても無駄なんだなって思えるようになりましたね。

 

自分がよければそれでいいっていう利己的な考え方かなとも思うんですけど、一番は、周囲に対してどうこうって、自分がストレスを溜めることがないようにする方法として、期待しすぎないのが一番かなって。

 

Q: 人に期待しすぎないことで自分が穏やかでいられるのね。

 

N: その方法をとってますね。

まとめ

 

長袖ヶ浦くんは、初めてのアルバイトから社員になり、“上司として真面目に相談を受けすぎちゃって、突っぱねられなかったんで、そういうのが嫌になった“ と言っていました。

 

こんな経験、あなたにもありませんか?

親身に相談に乗っていたはずか、段々負担に・・・

 

☆今日の問いかけ

あなたが親身になりすぎてしまう相手は誰ですか?

 

 

次回は、『4.その生活に慣れると人間って動かなくなるんですよ』をお届けします。

鈴木 明美(『セラピールーム ちるどれん』主宰)

【プロフィール】

2008年から「セラピールームちるどれん」を主宰。Team Oasis ~セラピーをもっと身近に~をコンセプトとした勉強会の代表を務め、カウンセラーの横のつながりづくり、情報交換、学びの場つくりをしている。現在は、不登校・引きこもりの家族の孤独に寄り添う支援に力を入れている。

 

保有資格:心理カウンセラー・ゲシュタルトセラピスト・和みのヨーガインストラクター・NLPシニアセラピスト・JTC アートセラピスト・交流分析士・レイキヒーラー

 

【関連ページ】

セラピールームちるどれん公式HP