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子育て支援企画

まるで地下神殿!『首都圏外郭放水路』見学会レポート☆

子ども未来館の見学会『首都圏外郭放水路』に同行、噂の地下神殿に侵入してまいりました!!

子ども未来館から貸切バスで出発です!<br>子どもとスタッフだけ。お父さん、お母さんはお見送りです。
子ども未来館から貸切バスで出発です!
子どもとスタッフだけ。お父さん、お母さんはお見送りです。
冬休み中のこの日、子ども未来館では「首都圏外郭放水路見学会」が開催されました。
1年間江戸川区の川について学んでいる「川ゼミ」の子どもたちと、事前募集で募った一般の子どもたち、合わせて23名がバスで一日見学ツアーです。

まずはバスの中で「江戸川区の川について」のビデオで予習をします。
江戸川区ってそういえば「川」に囲まれていますよね。それぞれに歴史や役割があり、人々の生活と深くかかわりがあることを改めて学びました。
国道16号線沿いに5本の立抗を建設、地下放水路でつながれている。第3立坑は倉松川が増水した時に取水する。
国道16号線沿いに5本の立抗を建設、地下放水路でつながれている。第3立坑は倉松川が増水した時に取水する。
堤防から双眼鏡で立坑の取水口を観察。網目になってゴミが流れ込まないようになっているのが見えたかな?
堤防から双眼鏡で立坑の取水口を観察。網目になってゴミが流れ込まないようになっているのが見えたかな?
最初の見学地は「第3立抗」
低地が広がる中川・綾瀬川流域の浸水被害を軽減するために、河川が増水した時に水を取り込む取水口です。
この時期は雨が少ないため、この日も第3立抗につながる倉松川はほとんど水流がありませんでしたが、ひとたび大雨が降るとすぐに氾濫して周辺の住民は大きな被害を受けることになります。そうならないためにあふれた水を取り込んで、地下放水路を通じて集められ、江戸川に放水するために建設されたのが『首都圏外郭放水路』第3立坑はそこにつながる立抗(取水口)で、地下約50メートルの深さの竪穴です。
自由の女神やスペースシャトルがすっぽり入るくらいの竪穴だそうです。←すご~く大きいことが想像できますよね。
説明を聞きながらメモを取り、双眼鏡で立抗(取水口)の様子を観察。ただ、現状の川が静かすぎて、今はちょっと想像付きにくいですね。

お弁当の後はいよいよ排水場の見学です。
まずは横を流れる江戸川の観察
子ども未来館の横にも江戸川はつながっているけど、様子が違います。川は自然に蛇行して、川辺は草が生え、自然のまま。下流の江戸川区の辺りでは河川敷にグランドなどを整備して、地域のみんなが楽しめるようになっています。同じ川でも流れる場所や管理する人たちによって様子が大きく変わりますね。
正面建物の中にミュージアム。調圧水槽(地下神殿)はその地下に広がっています。
正面建物の中にミュージアム。調圧水槽(地下神殿)はその地下に広がっています。
その後は「竜Q館」と呼ばれる『首都圏外郭放水路』についての説明や展示のあるミュージアムを見学。放水路の役割や仕組みを、模型などを使って施設の方の説明を受けます。
近年は集中豪雨等が多発していて、台風シーズン以外でも外郭放水路が稼働することが増え、流域住民の被害軽減に大きな役割を果たしています。
1年中いつでも稼働できるように、さまざまなモニターで24時間監視をしています。まるでTVドラマの指令室みたいですね。
1年中いつでも稼働できるように、さまざまなモニターで24時間監視をしています。まるでTVドラマの指令室みたいですね。
放水路や立抗が実際に雨が降ってどのように稼働するか、模型を使って理解します。
放水路や立抗が実際に雨が降ってどのように稼働するか、模型を使って理解します。

いよいよ地下神殿に入ります!!
巨大な柱が59本立つ地下調圧水槽。その様子はまるで『地下神殿』。豪雨のときには写真の柱の上の線くらいまで水が溜まります。その量を想像するとちょっと恐ろしい!
巨大な柱が59本立つ地下調圧水槽。その様子はまるで『地下神殿』。豪雨のときには写真の柱の上の線くらいまで水が溜まります。その量を想像するとちょっと恐ろしい!
約100段の階段を下りると、そこはまさに『地下神殿』
高さ18メートル、幅7メートル、奥行き2メートルの巨大な柱が59本そびえる不思議なちょっと不気味な空間です。(声が響くので、小学生男子たちはテンションあがります―苦笑)
大きな柱の中ほどで色が変わっているのがわかりますか?大雨で放水路に水が流れるとその辺りまで水がたまるそうです。←その水量を想像すると恐ろしくなりますね。

平成14年6月から稼働を始めた調圧水槽(全区間の完成は平成18年6月)は、放水路から流れてきた水を4台のポンプでくみ上げて江戸川に流します。これまで約100回の稼働実績があり、昨年27年9月の台風17号・18号では約1900万立方メートルを排水しました。いったいどれくらいの量かというと、東京ドーム約15杯分になるそうです。←多すぎで想像できませんね。

大変な時間と費用をかけて建設された施設は、毎年5~10回稼働しており、中川・綾瀬川流域を浸水被害から守り続けています。
そんな施設を見学して、子ども未来館に戻った後は全員、「発見カード」を記入します。1日かけて学んだこと、見たこと、感じたこと、疑問に思ったことなどをどの子も用紙一杯に書いていました。「すごかったね」「大きかったね」だけではなく、なぜそのような施設が出来たのか、それを見て何をどんなふうに感じたか、振り返って考えることで子どもたちはまた大きく成長します。
子ども未来館では様々なゼミを予定しているそうですので、興味のあるゼミには是非参加してみてください。
子ども未来館では様々なゼミを予定しているそうですので、興味のあるゼミには是非参加してみてください。
今回見学会に参加した半数の子どもたちが参加している「川ゼミ」は、川について1年かけて学ぶゼミです。「川」に関する地理的な勉強に限らず、川辺の生きものを観察したり、水質調査や橋の構造について学んだり、夏にはあきる野市へ川の中流・上流の地形や流れの違いを実際に見学したり、また、新中川の橋めぐりや川にまつわる音楽にふれたり、俳句を作ったりと、多方面に総体的に学習します。
小学生がこれだけのことを1年かけてじっくり学べる機会は貴重ですね。

☆江戸川区子ども未来館のページ