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路傍の晶

第1回

リラクゼーション&フットケアサロン スカーヴァティー  院長 荘さん

「足元を大事に」と語る荘さん。
「足元を大事に」と語る荘さん。

以前、水処理の会社に勤めていた荘さんの毎日は充実していた。
「浄化槽や排水処理装置を設置するところから始まり、水質の維持を図り、その後の機械のメンテナンス、すなわちアフターケアまで行なっていました。仕事の、いわば入り口から出口まで責任を持つという役割に、やりがいを感じていた」


 だが一方で、心身の負担も否めなかった。大雨が降れば、マンホールから水が浸入してポンプが溢れ、下手をすれば床上浸水も免れない。台風をはじめ水量が増すときには、深夜だろうが休日であっても関係なく、緊急対応を迫られる。駆けつける準備をつねにしておかなければならない、文字通り「水物」の仕事が、荘さんを次第に疲弊させていった。

南国風の快適な空間が癒しに誘なう
南国風の快適な空間が癒しに誘なう
そんな疲労困憊のときに出合ったのが、リフレクソロジーだった。
「どうにも疲れてしまい、遅くまで仕事をしたその足でサロンに行ってみました。初めて試したんですが、痺れるぐらい効いた。それから強く惹かれるようになったんです」
足裏を刺激することで
自然治癒効果を高める
足裏を刺激することで
自然治癒効果を高める

「リフレクソロジー」とは、足裏の特定の部位を押すことで疲労の改善などを図る療法である。自然環境をはじめ人間の健康や癒しにもともと興味を抱いていた荘さんは、この体験以来、リフレクソロジーの虜になる。さまざまなサロンに出向いて自ら効果を確かめ、ついには仕事の傍ら学校に通うようになった。さらに続けながら、独立を期し、病院の医療関係者や患者、知人などに対する出張治療を経て、現在のサロンを構えるまでに至ったのである。


「僕自身が癒されたあの感覚を、たくさんのひとたちに味わってほしい」自身の体験を思い返しながら、荘さんは言う。
「人間は機械ではないので、治療の効果はメンタルに拠る部分も大きい。ですから自分もそうだったように、リラックスしている休日よりも、仕事帰りなどの疲れたときに試してみることをお勧めします」


 さらに、荘さんが取り組んでいるのは、リフレクソロジーだけに止まらない。利用者に合わせてインソールをつくり、ウォーキングレッスンも取り入れるなど、フットケア全般を扱っているのだ。


「現代人の足は病んでいます。とくに女性に関しては、タコや外反母趾が驚くほど多い。だからそれらの症状を治すために、靴を履いてどう歩くかまでアドバイスしています。たとえば建物が歪んだときに、歪んだ箇所だけを直しても、土台がしっかりしていなければ結局は傾いてしまいますよね。人間もそれとおなじで、足元から根本的に治さなければ、上体はすぐに歪んでくるんです」


彼がフットケアを施した結果、姿勢がよくなり腰痛が改善された利用者もいる。また、一ヵ月半で3キロ落ちたダイエット効果も報告されているという。疲れを癒すだけではない。人間の土台となる足元すべてを診る、すなわち「入り口から出口まで責任を持つ」という荘さんの精神は、仕事を転じたいまも、変わらない。


取材・文◎隈元大吾