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大学センター試験の「ムーミン問題」が世間を騒がせています。でも本質は「ムーミン問題」そのものよりも、試験そのもののあり方です。葛西駅そば、個別指導塾葛西TKKアカデミーは生徒たちの学びを考えています。

葛西TKKアカデミー

大学センター試験が終わり、メディアではその中の「ムーミン」が出た問題が話題となっています。
これはセンター試験の地理Bの中で問われてもので、資料を使ってフィンランドに関する答えを見つける問題です。
世間でも評価は分かれ、受験生の中には「ムーミン」に対して恨み節を唱える人もいたようです。
学者や研究機関でも不適切ではないかと指摘が出たり、フィンランド大使館がコメント発表する事態にまで至っています。



不適切な問題と見なす人たちの言い分には次のようなものがあります。

1.ムーミンの物語は空想で実在する場所が舞台ではない(ムーミン谷が舞台)。
2.ムーミンの舞台がフィンランドと明言できる根拠がない(どこにもそのようなことは書かれていないし、フィンランドのような描写もあれば、明らかにそうではない描写もある)。
3.問題に出されているアニメが放送されたのは昔で、世代が違うのでよく知らない。
4.こんな問題を入試で解く意味があるのか(大学に入るのに必要な知識なのか)。
5.フィンランド語なんで知らない。

1,2は問題が間違っているので解答も全て無効(少なくとも試験問題として不適切)という意見。
3,4,5はそもそも何でこんな問題を出すのだ、入試問題として解けなければいけない問題なのかということでしょう(雑学クイズだ)。

日夜必死で勉強してきた受験生が問題を見て、「ふざけるな」と言いたくなる気持ちも分からなくもありません。
自分の人生をかけていると言っても過言ではなく、1点の差が合否に大きく関わるとすれば、このような解けない問題が出てきて憤慨するのもうなずけます。



一方、適切だ、むしろ良問だという人たちの声にはこのようなものがあります。

1.この問題はムーミンを知らなくても解ける。
2.知識詰め込み型の勉強では解けないかもしれないが、注意深く問題を読み解けば答えられる。

出された問題は解答可能なので不適切ではないという立場です。
文科省が目指す、基礎知識を覚えるだけの知識偏重の教育から脱し、その知識を使い答えのない問題に取り組める教育という点からもふさわしいと評価しています。

解答の導き方はこのようになります。

問題は、資料にあるアニメ作品の一方がフィンランドを舞台にしたものでもう一方がノルウェーを舞台にしたものである。
そのフィンランドの方を選ぶのだが、ムーミンはトロールというフィンランドの妖精であることを知っていればすぐにわかる。
また、その作者がフィンランド人であることも知っていれば、それでも解答は可能である。
「ムーミン」を知らなくても、もう一方のアニメ『小さなバイキング ビッケ』の「バイキング」という言葉から、こちらがバイキングのノルウェーと消去法で導き出すことができる。
「バイキング」は受験生にとって知っていてもおかしくない知識であり妥当である。

次に言語を選ぶ問題だが、これもフィンランド語を知らなくても解ける。
スウェーデン語が問題の中にあり、選択しのフィンランド語とノルウェー語からフィンランド語を選ぶわけだが、スウェーデン語とノルウェー語は同じ言語グループであることを知っていれば、似ている方をノルウェー語と判断できるので二択の判断はできる。
それを知らなくても一方の方には妖精の絵が描いてあり、もう一方にはトナカイが書いてあるのでこれをヒントに解答することも可能である。
個の妖精はトロールと呼ばれるフィンランドの妖精で、トナカイといえばサンタクロースなので、サンタクロースのいるノルウェーと分かる。



確かにこのように資料の細かい点に注目して推測すれば、解答はできるでしょう。
しかし、無理やりな感はぬぐえません。
特にイラストは知っていれば妖精と思えるでしょうが、必ずしもそう断言できるものではありません。
トナカイに関しても、トナカイはノルウェーだけにいる訳ではないですし、そこからサンタクロースにつなげなければならない必然性もありません。

類推で解答するのであれば、類推で他の解答を導き出したとしても間違いとは言い切れないでしょう。
例えば、試験が能力判断ではなく序列をつける手段と捉えれば、資料をそのままうのみにするのは「ひっかけ」という類推もできます。
文科省の基礎知識を使い答えのない問題を答える力を見るのであれば、結論に至るまでの過程が重要であり評価されるべきで、これは記述解答でないと分かりません。
そして、答えが違ったとしても、結論に至る過程に矛盾なく論理性があればよしをすべきではないでしょうか。
結局出題者の意図に従った思考で類推しなければならないのであれば、それは幅広い思考のチャンスを奪うものであり、結局「答えのある問題」に答えているだけです。
自分の意見を持てない、相手の顔色ばかりうかがい、忖度することばかりに長けた人間を評価することにもつながりかねません。



試験は誰もが納得のいく妥当性の高いものでないといけません。
これほどの批判が上がるというのは、やはり問題があったと考えます。

その問題の一つは、結局問題を通して何を判断したかったのかということでしょう。
最近のセンター試験ではアニメや漫画など、奇抜な問題が増えています。
それ自体は別にいいのですが、それが適切か、単なる受け狙いでないことを祈ります。
こんな論争を起こすまでムーミンを使わないといけなかったのでしょうか。
単純に文章で問うだけではいけなかったのでしょうか。

また、問題と解答形式があっていないということも考えられます。
先ほど述べたように、このような思考過程を重視するならば、選択問題にしない方がよかったと思います。
試行錯誤して導き出した答えと、館で適当に出した答えが同等に扱われるのは問題があるでしょう。

文科省が新たに提示した目標とそれに伴う教育改革の方針自体は特に悪くないと思います。
しかし、実践において、その方法にはまだ多くの課題があります。
今回の問題はそのいい例だと思います。
教育方針や思考の様式は変わりましたが、肝心の評価の方法が以前と大差ないのです。
そこにミスマッチが生じています。
知識を使って考えさせるには時間が必要です。
しかし、試験時間や問題量は変化ありません。
じっくり考えられる時間を与えないと、そのような技能は正確に測れないでしょう。
解答もマークシートでは、受験生が解答を導き出した過程が分かりません。

文科省が目指すものを適切に評価するならば、試験の形式を大きく変える必要があります。
例えば試験時間を一科目3時間や、一日くらい長くする。
そうしてじっくり受験生たちに考えさせる必要があります。
その思考過程を論理的に記述する解答にすべきです。
もちろん、解答の資料として必要なもの(ノートなど)の持ち込みも可とする。
なぜなら、大事なのは知識そのものではなく、知識を使って問題に取り組み自分なりの解答を導き出すことだから。
解答が一つしかないというクローズドクエスチョンではなく、自由に意見を言えるオープンクエスチョンにする。
評価も出題者の期待するものと違うからと単純に○×にはしない。

とするととても今のような短期の日程で、これほど多くの人が受けられる試験にはなりませんし、結果が出るまでの時間も非常に長くなるでしょう。
そもそもこのタイプの試験は序列をつけるには適していないので、試験そのものの考え方も変えなければなりません。
文科省の目指すものの評価と現行の入試体制の間に大きな乖離があるのです。

最近の入試問題で出題者が工夫していることは理解できます。
しかし、混乱が見られます。
今回の問題で、出題者自体も新しいタイプの問題作成に不慣れで、「今後の問題作成に当たってより一層の留意」が必要と大学入試センターも述べています。
気になるのは、大学入試センターはそうやって改善しより良い試験にすればいいのですが、その混乱の巻き添えとなった生徒たちの責任は誰が取るのかということです。
試験は出題者と解答者の会話です。
出題者が解答者に的確に問題を読み解き、その意図をくみ取って正確に期待する解答を求めるなら、出題者は解答者の解答も同様に正しく読み取り公正に評価する責任があります。
ただ生徒が泣き寝入りをするだけにはなってほしくありません。





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