自殺に関してアメリカの学者が三つの条件を提示しています。
1.自分は世界で孤立しており、誰も自分のことを気にしていないと考える。
2.他人にとって自分は負担で死んだ方がいいと考える。
3.自殺ができる手段と衝動がある。
この三つの条件がそろうと自殺が実行可能になるそうです。
1と2については子供の置かれる状況が心にどのように影響するかによって決まります。
また、3については最近は特にインターネットなどと通して情報が入りやすくなっているため、手段を手にすることはたやすくなっています。
自殺を図る子供は意外とまじめで心優しい子が多いようです。
このような子供は次のように考えがちです。
まだ人生経験が少なく、完璧でないと許せないと思いがちで、周囲もそれを求めると、ちょっとした失敗でも自分を追い詰めてしまう。
自分の弱さを感じ、それをさらけ出せないから、自分の中にどんどん閉じこもってより問題を深刻に捉えるようになる。
周りに迷惑を掛けてはいけない、自分はどうなっても人を煩わしてはいけないと考える。
他人が悪いのではなく自分が悪いのだと、常に自分を卑下してしまう。
このように孤立し自己否定に走り、最終的には命を絶つしかないと考えるのです。
では、どうやって防げばいいのでしょうか。
難しいですが、とにかく人とのつながりを保つことです。
家族が一番いいのですが、それにこだわる必要はありません。
誰でもいいので、信頼できる誰かがいることが大切です。
それまでの経緯から、家族や学校の先生に対する信頼がなくなってしまった場合は、無理にこだわる必要はないでしょう。
また、子供は無意識にでも何らかのサインを出しているはずです。
その兆候を見逃さないことも大事です。
実は、現代の生活においてここが難しくなってきております。
夫婦仲が悪くケンカばかりしている、片親で親が子供に構っている余裕がない、経済的にゆとりがなく仕事に追われて家庭に費やす時間が少ない。
このような過程が増えて、子供のことを見つめてあげる時間がない、子供と話し合い考えを共有する時間がないのも問題です。
難しいですが放置していると子供は孤立感疎外感をどんどん深めてしまうので、こういう家庭こそあえて日常のちょっとした声掛けなどが重要になってきます。
子供も気遣いができ周りに迷惑を掛けまいとして、あえて明るく振舞って隠している場合もあるので、本当に早期発見は難しいと思います。
でも、気づけないまま自殺になってしまうと、後悔してもしきれません。
そうならないためにも最新の注意が必要です。
子供が悩み苦しんでいる代表的な兆候を、次に記します。
・ぼーっとしていて人の話を聞いていない。
・忘れ物やなくしものが多い。
・自分の存在意義を否定し「どうせ自分なんか」などと言う。
・イライラして弱い者に当たる。
・物を壊したり、字が汚くなる。落書きが多くなる。死や闇を思わせるような絵や文を書く。
・寝つきが悪く寝不足気味。
・食べ物を戻したり、頭痛など体調を壊す。
このような異変が見られたら注意しましょう。
かと言ってあまりにもしつこく追及するのは厳禁です。
本人が自然と話せる環境を作りましょう。
あまりに一つの型にはめようとせず、柔軟に対応し本人の希望を尊重しましょう。
時には学校を休ませるのも選択肢の一つです。
社会として、我々は尊い命を守る義務があります。
簡単なことではありませんが、最善を尽くさなければなりません。
葛西TKKアカデミーでもできることがあれば、喜んで力になりたいと考えています。
非力ではありますが、困ったことがあれば気軽にご相談いただきたいと思います。
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