穏やかな日差しがふりそそぐ週末、江戸川区船堀で「注文を間違える料理店」をインスパイアしているイベント「定食屋　きまぐれ」が、1日だけオープンしました。

ときには注文をまちがえてしまうかもしれないことを受け入れて
まちがえてしまっても、一緒に笑顔で楽しめる・・・
認知症を抱える人が接客するあたたかい定食屋「きまぐれ」は、美味しい料理と笑顔があふれていました。

出来上がった料理を席まで運んだら、間違えないようにテーブルに配膳します。
ランチョンマットに「ごはん」「おかず」「おはし」と、イラストと文字が書かれて、その通りに配膳すると完璧です。
「お待たせしましたね。これで間違いなかったかしら？」
丁寧に優しく、ちょっと緊張した表情で配膳してくださいます。
お冷を注ぎにきて「美味しかったかしら？」と声をかけたり、食べ終わったらすぐに片づけて、デザートを運んでくださったり、みなさん甲斐甲斐しく動き回っています。

スタッフの方が必ず近くにいて、安心して接客できるよう見守っています。

「認知症」という言葉だけが独り歩きしていて、実際に周りにいる認知症の方とどう接したらいいのかよくわからないという人が多いのではないでしょうか？
どんな症状があるのか、もっとみんなが広く知識を持てたら、認知症の人も、その家族も、きっと今よりずっと暮らしやすい街になるでしょう。

そんな想いを持つ人たちが動き出した活動の一つが「定食屋　きまぐれ」。

認知症のご本人たちは、笑顔を見せつつやはり緊張している様子で、とても一生懸命仕事をしていました。そして閉店後にわずかのお礼を受け取った時の嬉しそうな表情！とても印象的でした。
誰でも、人の役に立てた時が一番嬉しいものです。そして、認知症になっても誰かの役に立てるということは、本人にとっても嬉しくやりがいのある時間になったようです。