本日紹介する本は、『ビッグファットキャットの世界一簡単な英語の大百科事典』（向山　貴彦）です。

学校で英語を学んで、英語が嫌いになったり挫折したりした方は多いかと思います。
その理由の一つは、学校で先生の言っていることの意味が分からずついていけなくなったことでしょう。
特に文法用語を使って解説する先生はよく分からないという人が多いのではないでしょうか。

この教授法は文法対訳法という外国語の教え方で、100年前に流行ったやり方です。
しかし、このやり方は実際にしゃべれるようにならず、実践的でないことが証明されています。
でもなぜか日本の英語教育では、いまだにこのやり方が主流です（この点は別の機会に議論します）。

英語を理解する前に、文法用語というもう一つの言葉を学ばなくてはならない。
そんな二度手間感。
しかも悪いことは、その文法用語は国語文法と同じ言葉を使いつつ意味が違う。
しかし、学校の先生はそんなこと一言も教えてくれない。
だから余計混乱が広がる。
文法用語を聞くだけで拒絶反応を起こす。
しかし、それ以外の教え方はしてくれず挙句の果てには、「どうしてこんなことが分からないんだ。」と、できない責任を学ぶ側になすりつける
（本来はわかるように教えられない者の責任なんですが）。
そうやって英語から遠ざかった人も多いでしょう。

今の生徒もそうです。



今の学校の文法中心の授業が分からない、文法中心の参考書では分からない。
そんな方にお勧めなのが、『ビッグファットキャットの世界一簡単な英語の大百科事典』です。

前半はイラストを使った英語の解説で、後半は物語という構成になっています。
実はこの本は『ビッグファットキャット　シリーズ』の一つで、主人公のエドと出会った猫を中心に繰り広げられる、時にはおかしく、時には楽しく、そして時には切ない物語の一部です。
大切な文章には解説があり、分かりやすさと同時に、物語自体の面白さから、知らず知らずのうちに英語の世界に引き込まれてしまいます。
こうして英語に慣れ、多読のきっかけになるよう作られています。

さて、この本の最大の特徴は、
百科事典と言いつつ文法用語を一切使用していない点です。
記号や矢印、色や明暗を上手に使い、英語のルールや母語話者が見る英語の世界観を表現しています。
例えば形容詞を「化粧品」と言って、分かりやすい言葉に置き換えることによって、文法用語を理解する苦しみを上手く取り除いています。　
こうして英語の考え方を理解し、本編を読むことによって、英語に対する理解が深まるようにできています。

中のイラストはカラーで面白く描かれています。
こうした点からも親近感のわく一冊です。

現在学校で英語を学んでいる生徒はもちろん、一度は諦めたけど実は英語を話せるようになりたい人にもお勧めです。
この本を使えば、今まで所々分からず穴だらけだった英語が、まるで霧が晴れるように、パッと分かるようになるでしょう。

葛西TKKアカデミーのブログにも私見を踏まえて紹介してありますので、
ご参考ください。

書籍紹介　『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の大百科事典』