下町酒場はしご酒~江戸川のディープな居酒屋巡り
駅前の下町酒場は地元民のオアシス
京成本線京成小岩駅から歩くこと約30秒、線路沿いにある(はむら)は、新小岩の(はむら)で修業した主人がのれん分けで開いた大衆酒場だ。
「うまい・早い・安い」のキャッチフレーズで創業30年以上の下町大衆酒場。
これぞ大衆酒場と思わせるざっくばらんな雰囲気が心地よい。
そして、壁一面に、ぎっしりと張られた短冊メニュー。
豊富なメニューを肴にぐいぐい酒がすすむ気配。
飲みすぎ食べすぎに注意したい。
カウンターに腰をおろし、まず「おつかれビール【1杯かぎり200円】」。
届いたビールを右高く持ち上げてしばし観賞、そして思い切って鼻を泡に突っ込み、一気にゆく。
ングングング……。
口に入れたら、口中の上下左右すべてにくぐらせ、舌の裏表隅々までまわす。
舌は味を感じる味蕾が場所によって違うので、ビールの味をすべて知覚するためだ。
終えるとゴクリと飲み込む。
そして、プハー……。
鼻と口から同時に息を吐き、最後の香り【ここでホップの価値】に到達する。
ああうまい。
ここでは「もつ焼き」から入るのが通例のようだ。
もつ焼きは、タン、ハツ、かしら、なんこつ、しろ、レバ、子袋が各1本120円。
焼き鳥や野菜焼きもある。
「もつ焼き」をおさえた後は、「ハムカツ」でも「ささみポン酢」でも「しめさば」でも、オーダーは人それぞれ。
これぞ下町酒場の真骨頂。
東京の居酒屋とその特徴。
人口も都市規模も格段に大きな首都東京は日本一の居酒屋都市だ。
特色は、長い歴史をもつ古い店が特に下町にたくさんあること。
神田(みますや)、月島(岸田屋)、台東区根岸(鍵屋)等々。
その反対に最も新しいスタイルの居酒屋があること。
そして日本各地の地酒を並べた店が多いこと。
それはブランド好きゆえで、東京の客は酒にうるさく、知ったかぶりの一家言が多い。
そのうえで特徴は、あまり料理料理しない小粋な肴をよろこぶ。
せっかちな江戸っ子は注文したものがすぐに出てこないと機嫌が悪く、料理に凝るよりは味のはっきりした明快なものがいい。
小鉢の簡単な肴でかけつけ三杯をきゅーっとやるいなせな「粋」を信条とし、飲むスタイルを気にするのが東京流で気取って飲む。
しかし口ほどにもなく酒は弱く、三本も飲めば寝てしまい、長尺勝負の秋田あたりにはとてもかなわない。
江戸っ子は口では勝つが酒では負け、東北人は口は負けるが酒では勝つ。
↑主役のもつ焼はハツ、かしら、小袋など全7種
↑名物のジャンボメンチは特大サイズ
↑スタミナ焼きも人気。他には串揚げの品揃えが豊富
↑仕事帰りに便利な駅前酒場。2000円あれば十分楽しめる
店名 | はむら |
住所 | 東京都江戸川区北小岩6-13-4 |
営業時間 | 17:00~翌0:00 |
定休日 | 水曜 |
連絡先 | 03-3672-1594 |
関連サイト | なし |
取材日 | 2021年 |
◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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