下町酒場はしご酒~江戸川のディープな居酒屋巡り
小岩名物・魅惑の焼鳥屋
JR総武線小岩駅から徒歩約3分、昭和通り沿いで、焼鳥の脂が焼ける香ばしい匂いを店先にたなびかせ、店内のベンチにオヤジ達が座り焼鳥を頬張っている。
酒場のようだが外には看板も暖簾もない。
店内は立ち飲みカウンターとベンチがある。
焼鳥はレバー、ひな、手羽先など豊富な品揃え。
しかも焼鳥は全品1本70円という驚きの価格。
一息つき店内を見わたした。
すすけた天井、壁、カウンターすべて黄色で質素。
公園のベンチで飲むよりマシという程度だ。
中年以上の男ばかりの客は、皆常連のようだ。
しかし、焼鳥を求めるのは飲兵衛に限った話ではない。
晩ご飯のおかずとして焼鳥を買う主婦や腹の足しに焼き鳥を頬張る学校帰りの学生の姿もちらほら。
生活感漂う光景はここが地元密着型の店であることを裏付けている。
焼き置きされ温めるだけの焼鳥は思いのほかおいしい。
常連によるとここは(鳥勢)といい、飲食は1時間と決められているそうだ。
低価格は主人の経営努力。
盛り付けも「立ち飲み酒場」ゆえの最低限に留め、一人で料理を待たせることなく素早く出す。
とにかく回転率が生命線なのだ。
「普通の商店街の混み具合だと、うちはつぶれてしまいますから」と主人は笑う。
驚くほどの価格を実現できるのは、店主の経営努力の賜。
とにかく回転率が店の生命線だ。
そうして積み上げた10円、20円の利益がこの店を支えている。
↑自家製の香味酢をかければまた違った味を楽しめる
↑テイクアウトメインの店だけあり酒は缶のまま供されるのがまたいい
↑毎日ここでの一杯を楽しむ常連たち!これが大衆酒場の魅力
↑看板もない小岩の名物酒場は今夜も常連客で賑わう
◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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