文部科学省の調査によると、小・中学校での不登校生徒数は令和元年まで7年連続で増加しています。
特に、不登校の低年齢化、つまり
小学校での不登校が増えていることが注目されています。
そんな子どもたちを対象にした小学校が、江戸川区にあることをご存じですか?
江戸川区西小岩の
東京シューレ江戸川小学校は、閉校となった上一色小学校の旧校舎を活用し、2020年4月に創立しました。
国の学習指導要領に基づいて教育が行われる通常の学校とは異なり、
授業時間や学習内容などを柔軟にできる「不登校特例校」として、文部科学大臣に指定された全国初の私立小学校です。
今回、そんな東京シューレ江戸川小学校を見学する機会をいただいたので、ご紹介します。
■子どもが主人公の学校■
東京シューレ江戸川小学校の特徴は、子どもたちの声を聞き、それぞれのペースを大切にしたカリキュラム。自由な体験を主体にした新設教科「いろいろタイム」もそのひとつです。遊びの中から学べる環境を作りたい、楽しさを感じる学びの場がどうやったら作れるかと試行錯誤していらっしゃいます。
少人数制で一人ひとりに寄り添った指導。授業もイベントも、学校側が一方的に決めるのではなく、児童たちで話し合って作り上げていきます。子どもたちと同じ目線に立つために「先生」ではなく「スタッフ」という呼び方を採用。職員室もスタッフルームという呼称で、子どもたちも「○○さん」「○○ちゃん」と呼び掛けている姿が印象的でした。
子ども自身が「ここに通いたい」と思うことが一番大切。そうやって入学した子どもたちだから、思いっきり学校生活を楽しんでいます。「子どもが学校で笑うことなんてもうないと思っていた」「外で走っている子どもを久しぶりに見た」と涙ぐむ親御さんもいるそうです。
■不登校の低年齢化を取り巻く問題■
不登校の現状について、東京シューレ江戸川小学校教頭の横田さんからお話を伺いました。
一言に不登校といっても、原因は千差万別です。いじめや教師との関係など学校生活が問題の場合もあれば、発達障がいや家庭環境が問題の場合もあります。かつては問題行動とされていた不登校ですが、今は教師や親が子どもを理解し、多様な教育の機会を考えることが大切だとされています。しかし、まだまだ追い付いていない現状です。
特に、低年齢での不登校では保護者、特に母親にかかる負担が大きいといいます。学校に行かないからといって一人で長時間自宅にも置いておけず、仕事を諦めるケースも多いそうです。シングルの方にとっては本当に由々しき問題になるでしょう。
私も、自分の子どもたちから不登校の話題を聞くことがあります。
「不登校は特別なことではなく、誰にでも起こりうることだ」という言葉には深く頷かされました。
今の学校には通いづらいけど、自分らしく学べる学校なら通いたい。そんな気持ちを持ったお子さんにとっては、東京シューレ江戸川小学校がひとつの選択肢になると思います。
■もし自分の子どもが不登校になったら■
子どもの不登校で大切にしたいのは子どもの心、子どもの意思。しかし、親の心にも大きな負担がかかります。
子どもを理解しようと努めてもイライラしてつい怒鳴ってしまったり、自分の子育てが悪かったのかと悩んだり、自分を責めてしまう方もいらっしゃるようです。
そんな親御さんに知ってほしいのが
「親の会」という存在です。
不登校や引きこもり、発達障がいなど、生きづらさを感じる子どもを持つ当事者同士が集まる会です。
同じような悩みを抱える親同士話すことで孤独感が和らぎ、情報交換では親自身の気づきもあります。
「親が思うように子どもを変えるのは難しい。まずは親が変わることが大切なんです。」と横田さんはおっしゃいます。
東京シューレ葛飾中学校では、月1回親の会を開催しており、誰でも参加することができます。
また、東京シューレ江戸川小学校も、不登校についての相談を電話で受け付けています。
■東京シューレ江戸川小学校への転入学について■
現在、4・5・6年生のみ受け入れています。順次低学年も受け入れ、2024年までには6学年が完成する計画です。
説明会等の最新情報は、ホームページにてご確認ください。
(取材日:2021年6月17日)
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学校法人 東京シューレ学園
東京シューレ江戸川小学校
電話
03-5879-3157
HP
https://edogawa.shuregakuen.ed.jp/
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