プロが教える!くらしのお役立ちメモ
セラピールームちるどれん 鈴木 明美
不登校、引きこもり家族セラピストの鈴木明美です。
不登校、引きこもりのご本人や家族の体験インタビューを情報の一つとしてお届けします。
ご本人の言葉の微妙な意味合いが変わらないように、ほとんど編集を入れず話し言葉のまま掲載します。
Q: ピースボートから帰ってきたのはいくつ?
長袖ヶ浦くん(N):
24歳のときですね。
その後何か探そうとは思っていたんですが、貯金はあったので、毎月、親と決めた額を家に入れつつ、その後また実家にいました。
まぁそれが不思議なことに、その生活に慣れると人間って動かなくなるんですよね。
Q: 動かなくなるって、なんにもしないで家に居たってこと?
N:
いや、家事の手伝いとかはしてたんですけど、仕事探しとかは、“まだ貯金に余裕があるじゃん”って気持ちになって、
そう思っていると、次の仕事を探そうっている意欲が“しゅるしゅる~っ”て、ラクなほうにラクなほうに流れていって、貯金もなくなって!
気づくと尻に根が生えて、足に根が生えたように動くのが面倒くさいなってなっちゃって、
もう自分からは動かないですね。
Q: どれくらいの期間?
N: 3~4年くらいかな?どれくらいって曖昧なんです。
Q: 社会との関わりは?
N: ほぼ持っていなかったです。
会社を辞めて、そそくさと携帯もやめたので、家で本を読んでましたね。
Q: 友達と会ったりは?
N: 友達いないですね。
集団の中にいる時は、その時々に仲のいい子はできるんです。
小学校のときにクラスがで仲良かった子、クラス替えがあるとそれまで仲良かった子とは疎遠になる。
中学校にあがると、一緒に中学に上がった子とは仲がいいままだけど、
別の中学と別れた子とは疎遠になる。高校に上がったら、中学の奴らとは疎遠になる。
離れたらあえて連絡はとらないですね。
枠があるとその中での関係はつくりやすいんです。
学校ではクラスメイト、会社では同僚、今なら寮生です。
それを外れたときの友達っていう関係って、自分で維持しようとしないと、維持できないじゃないですか。
家族っていうのは、自分がどう思っていようが、周りからみたら家族じゃないですか。
自分で努力しなくても家族って枠組みに常にいるけど、友達ってそういうのがない。
そこはよくわかんないし、向こうが連絡してこないなら、向こうには必要ないってことだから、それでいいや。みたいな感じです。
Q: “ 向こうが連絡してこないないなら、向こうには必要ない”って思うのね。
N:そう思っちゃいますね。
Q: 何か自分が移るたびに、関係はリセットされていくっていう感じね。今の寮生とは?
N: 周りにいるけど、これが半年とか一年経って、寮を出るっていうことになったら、プッツリ切れちゃう可能性は結構高いと思う。
Q: それが心地いい生き方なのかな?
N: いや敢えて切りたいわけではなくて、自然消滅するだけ。
Q: 自分から関係性を保とうとするのは、不自然な感じなの?
N: そんな感じがしちゃうんです。
『意欲が“しゅるしゅる~っ”て、ラクなほうにラクなほうに流れて』もう自分からは動かない!
子どもでも大人でも、“やろうと思っているとき”に、「やりなさい」と言われると、「今、やろうとしてたのに・・・」となります。
“やれなくなったとき”は、誰かの手が必要なのかもしれません。
今日の問いかけ
あなたが動けなくなったとき、どうやって助けて欲しいですか?
次回は、『5.踏み出した足の下の床を抜かれた感じ』をお届けします。
【プロフィール】
2008年から「セラピールームちるどれん」を主宰。Team Oasis ~セラピーをもっと身近に~をコンセプトとした勉強会の代表を務め、カウンセラーの横のつながりづくり、情報交換、学びの場つくりをしている。現在は、不登校・引きこもりの家族の孤独に寄り添う支援に力を入れている。
保有資格:心理カウンセラー・ゲシュタルトセラピスト・和みのヨーガインストラクター・NLPシニアセラピスト・JTC アートセラピスト・交流分析士・レイキヒーラー
【関連ページ】