プロが教える!くらしのお役立ちメモ
自然療法サロンYASUMU 代表 高橋とみ子
日々を心地よく過ごすたくさんの智恵の中で、今回は月経の簡単なセルフケアをご紹介します。
月経は赤ちゃんをはぐくむ準備をする役割だけではなく、経血の排泄によって血液をきれいに保つデトックスの役割や、体が月経の頃はゆるんで排卵の頃は引き締まる動きで体の弾力を保つ役割もあり、女性が男性よりも丈夫だと言われているのは月経のおかげでもあるのです。
月経の1週間ほど前から、頭蓋骨→首→肩甲骨と上から順に体はゆるみ、骨盤がゆるむと経血の排泄が始まります。
月経2日目は体全体が一番ゆるんで経血の排泄量は増え、その後少しずつ引き締まりながら経血の残りをしっかり排泄して、排卵の頃に体は一番引き締まります。
ウエストが月経の頃に太く、排卵の頃に細く感じた経験はありませんか?
頭蓋骨や首がゆるまないと頭痛やイライラに、肩甲骨がゆるまないと肩や胸の張りに、骨盤がゆるまないと月経の遅れや月経痛など、体の動きが上手くいかないと様々な問題につながります。
頭部の刺激になるような、歯の治療、パーマやカット、パソコンやスマホを長時間使用する、手指の酷使、瞬発力を必要とする激しいスポーツ、緊張する活動、などは体がゆるんだり引き締まったりする月経の頃の自然な動きにブレーキをかけてしまいます。
髪の毛を濡れたまま乾かさないで頭部を冷やすのも、足元を冷やすのもよくありません。
これらのことをやってしまったと感じた日は、足湯や目の温湿布などのケアをして整えましょう。
月経前に食欲が増したり、イライラと感情の起伏が激しくなったりしませんか?それは首の硬さが原因かもしれません。
月経前から骨盤が開き切る月経2日頃まで、目や頭の疲れをやわらげて骨盤が開いていく動きをサポートするケアがとても大切になります。
あくびをする、おしゃべりをする、大声で笑う、カラオケで歌うなど、口を大きく開ける動きは首をゆるめてくれます。気分もスッキリする様な発散方法を工夫してみましょう。
脳の血流は左側から上り右側から下るという実験データがありますが、現代は頭や目の使い過ぎによる血液の上りで頭痛になっている人が多く、下る右側をゆるめると頭痛が楽に感じる人が多いようです。左側の硬さをゆるめたいと感じた場合でも右→左の順にケアをおこなってください。
ワキの背中側にある水かきの硬くて痛い所をつまんで少し伸ばしたり、つまんだ親指をズラしたり、やさしく水かきの内側をほぐします。
鼻の温湿布は気持ちを落ち着けてイライラを穏やかにしてくれます。
鼻柱から小鼻にかけて温湿布を6分当てます。(時間を守り行なってください)
肩コリは内蔵のくたびれや循環の問題を考えます。応急的な肩コリのケアをご紹介しますが、肩コリがあったら量の食べ過ぎや脂質の取り過ぎを考えて、ご自身の消化能力に合った食事を心掛けてください。
この場合は右ワキ→左ワキの順にほぐしてください
腕を前から後ろへ右→左の順に心地よいと感じる10~30回ほど回す
この時に回す側の指をピンと開きながら後ろへ回すとより効果があり、水かきのほぐしとセットで行うと肩甲骨周辺の血流がよくなります。
肩コリの一番の原因は食べ過ぎによる内蔵のくたびれが考えられます。
油断ちを週一のペースで行うなど、肩コリや背中の重さが辛い方は食事を見直してみてください。
(※月経初日の油断ち 参照)
骨盤が開き始め、経血の排泄が始まる日。月経2日目にしっかりと骨盤が開くケアをします。
油を断った食事を1日行い、肝臓と腎臓を休ませてください。そうすると骨盤の動きはスムーズになり、翌2日目の経血の排泄や排便も促してくれます。
おにぎり、蕎麦、蒸し野菜、野菜の汁物、フルーツなど、月経初日だけ油を断った食事を楽しめる工夫をしながら行なってみてください。
足湯をして骨盤の開いていく動きをサポートしましょう
(※足湯のやり方 参照)
目や頭の疲れを取る為に、眠る前の目の温湿布をしましょう。目や頭の使い過ぎによる、月経中の眠くて仕方ない場合のケアにもなります。
(※温湿布のやり方 参照)
月経2日目は骨盤が開ききって経血の排泄量が増える日。頭や目を休ませてゆったり過ごすのがケアになります。
月経2日目はとにかく目や頭、体も休ませてゆったりと過ごしてください。
ゆったり過ごすことで骨盤は開き切り、経血の排泄量も増えます。
朝の足湯をして、日中に骨盤が開く動きをサポートしましょう
(※足湯のやり方 参照)
もしこの日に忙しくて、目を酷使したり、イライラしたり、排泄がスムーズにいかないと感じたら、眠る前に鼻柱の温湿布をしてください。鼻は骨盤の動きと繋がりがあり、鼻柱から小鼻まで温めると骨盤はゆるみ、気分も落ち着くケアになります。
(※温湿布のやり方 参照)
月経2日目に開ききった骨盤が正しく締まってゆくように、引き続き目や頭が疲れるような刺激は避けて、ゆったり過ごすのがケアになります。
忙しい方は月経が終わるまで、足湯と眠る前の目の温湿布を続けてください。
自然療法では月経は4~5日で終わるのを正常としており、月経が5日以降も続くようでしたら、子宮に経血が残らないように骨盤を引き締めるケアを自然な形で行います。
仰向けに楽な姿勢で寝て、下腹部に置いた両手が吸ったり吐いたり深呼吸をしているイメージで続けます。両手から浸透してくる息が下腹部を満たしてポカポカと温かく感じるまで行なってください。
これらのケアを続けて、骨盤の動きがスムーズになっていくと月経痛は軽くなるものですが、どうしても辛い場合は骨盤をダイレクトにゆるませて月経痛をやわらげる仙骨の温湿布を行います。
仙骨はお尻の真ん中にある、平らに感じる骨です。
ビニール袋に包んだ温湿布を仙骨の下に敷いて、仰向けに寝て、両手は下腹部に置き、ゆったりとお腹で深呼吸をしながら6分休んでください。
(※温湿布のやり方 参照)
お風呂の温度+3度のお湯を足湯用のバケツに入れます。
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両足を6分浸け、その間に常温の水をコップ1杯ゆっくり飲んでください。
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6分たったら片方は出して直ぐよく拭き、どちらかもう少し温めたいと何となく感じる方をあと2分浸けます。
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片方を2分浸けたら上げて、すぐによく拭きます。
※片方をもう少し温めたいという感覚を大切にして、左右差を付けることが体のバランスを整えるケアになります。
※よく温まるまで足湯を続けてしまうと、その後は冷えやすくなりますが、時間を守り、もう少し温めたいと感じる頃に終えた方が、体は温かさを持続しようと働いてくれます。
(足湯用のバケツはホームセンターにて1,000円程で購入できます)
ハンドタオルを水で濡らして硬く絞り、必要な大きさに畳んでからレンジで温め、そのままでは熱いので蒸したタオルを乾いた布で上から包み、なるべく小さい範囲に温湿布を当てます。
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温湿布の水蒸気が体の奥に浸透して、こわばった箇所をゆるめてくれます。
(仙骨など服の上から温めたい場合は蒸しタオルをそのままビニール袋などで包み服が濡れない工夫をしてください)
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熱く感じたら少し離して、また繰り返し当て6分まで温めます。途中、ぬるく感じたら、畳み直して熱い面を当ててください。
※ 時間を守り、もう少し温めたいと感じる頃に終わらせてください。その方が体にとって効果的な刺激となり幹部をゆるめてくれます。
※ レンジから取り出す際や、温湿布を当てる時は火傷に気を付けて行ってください。
ケアをしても変化を感じなかったら、少し休んでもう1セット行なってください。それ以上は刺激が強いので、その日はやめて翌日以降に行なってください。
同じケアを毎日行うと体は怠けてしまいます。体の自然な働きを奪わないように最小限のケアを行なってください。
※ 目を閉じて合掌をして、てのひらで吸ったり吐いたり深呼吸しているイメージを続けてください。
てのひらが温かくなったら必要な箇所に当て、手から温かく浸透してくる呼吸が患部をほぐしていくイメージで深呼吸を続けてください。意外とこれで十分に温まってゆるみます。
ゴリゴリと強くほぐすと体は硬くなってゆきますが、ゆったりと自然にほぐれると体は少しずつ弾力を戻してゆきます。簡単で温湿布要らずですし、ぜひ試してみてください。
月経が整うと気分は穏やかに、肌ツヤもよく、女性らしい健やかさを保ってくれます。
妊娠や不妊の問題など女性の健康を保つ上で月経はとても重要です。是非この機会に日々の生活を見直して、自然のリズムに体の動きが整う様に、ご自身をケアしてください。
また、セルフケアに加えて、ご家族や周りの理解があるとよりいいですね。
「今は体がこういう状態だから、症状が出て辛い」という気持ちをキチンと伝えて、安心して過ごせる環境作りもとても大切です。
葛西にある、自然療法サロンYASUMUでは月経に限らず女性の様々な問題に対応させていただいております。
心身のバランスを整える心地よい整体と一人一人に合わせたセルフケアをお伝えする個人指導5,000円、月経など自然療法の講座5,000円もございます。
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