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下町酒場はしご酒~江戸川のディープな居酒屋巡り

小岩 小野内酒場 池波和彦のまいぷれ江戸川区・魅惑の下町酒場#3

古典酒場で背徳の香りを楽しむ

JR総武線小岩駅から歩くこと約3分、蔵前橋通り沿いにある(小野内酒場)に入った。

「オ、いらっしゃい、久しぶり。ハイボール?」

「うん、それとエビフライ」

「オーイ」

とどいたハイボールをングングング……。

下町に来たらコレに限る。

「酎ハイ」の名称が生まれたのは、東京の下町酒場で親しまれていた大衆飲料に端を発している。

これは焼酎ハイボールの略称にすぎず、俗にいう下町ハイボールのことである。

この大衆飲料は戦後、進駐軍兵士たちの飲んでいたハイボールカクテルにヒントを得て誕生したという。

しかし、その発祥の先駆けとなった商品が半世紀にわたり「謎のエキス」として封印され続けた。

我々が普通ハイボールと呼ぶものは、スピリッツをベースに炭酸水【ソーダ】で割ったカクテルの一種と理解していれば事足りる。
ハイボールの発祥は禁酒法時代にカクテルブームを起こしたアメリカ。
粗悪なアルコール【酒】を旨く飲ませるために考案されたミックス飲料で、焼酎ハイボールの誕生した動機も同じである。

近年、この飲料が下町酒場の間で「謎のエキス」として噂されていた。

エキス開発に成功したのは台東区にある天羽飲料製造有限会社。

天羽のエキスは、昭和30年前後の第一次焼酎ブームの波に乗って、浅草や千住、向島界隈を中心とする大衆酒場で爆発的にヒットした。
次第に天羽のエキスは下町エリア全域の大衆酒場へシェアを伸ばしたが、当初これを提供できる酒場は限られており、店主は客の人気を独占するためにも商品の素性を明かさなかったのだ。
当時焼酎ハイボールを求める客で賑わった有力店のひとつが、ここ(小野内酒場)。

「おまち」

名物のエビフライが届いた。

特大のエビフライが二本。

ソースを回しレモンをギュー、カラシにつけてパクリ。

うまいですぞ。

たちまち飲み干してハイボールもう一杯。

添えられた千切りキャベツが格好の箸休めだ。

身なりのよい中年紳士が二人入ってきた。
「何人さんですか」
「二十人」【と冗談】
「え?あらー、本気にしちゃったわ」
「ははは、ごめんよ」
なんともいいムード。

男がひとりで、男が友と。
女がひとりで、女同士で。
彼女を連れて、カミさんと一緒に。
ここは常連で賑わう下町酒場だ。

↑このエビフライを見よ!当店のスペシャリテ

↑良質の中トロマグロもうまい。これには燗酒だ

↑下町酒場の渋い名わき役「豆腐」。シンプルだが飽きない

↑江戸川区にはこういう老舗大衆酒場がゴロゴロしている

 

店名小野内酒場
住所東京都江戸川区西小岩4丁目14-1
営業時間17:00~23:00
定休日

日曜・祝日・不定休あり

連絡先03-3657-4447
関連サイトなし
取材日2019年

 

◆この記事を書いたひと

酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦

 

東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。

 

ブログ「日本の酒場をゆく」↓

https://ameblo.jp/m458itmasa/

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。