下町酒場はしご酒~江戸川のディープな居酒屋巡り
八丈島郷土料理の居酒屋
JR総武線小岩駅北口から歩くこと約2分、小岩北口仲通りにある(源八船頭 小岩店)は八丈島料理がよく揃っている。
「今日摘むと明日芽が出る生命力の強さから名のついた明日葉は、伊豆七島山野に年中青々と繁り、滋味、根気、精力にたいへんよし」「視力回復、血圧降下、便秘、大腸ガン予防に効果」の説明がある。
さあ飲むぞ食うぞ。
「島焼酎・情け島とクサヤ」
クサヤは魚の塩漬けの塩汁を捨てず「塩は貴重品」、使い回しているうちに発酵が重なり独特のうま味をつくるようになった。
つまり魚の塩蔵保存食で、昔は各家庭で塩汁を持っていたという。
発祥の新島産は塩辛く身は硬いが、水の豊富な八丈は水洗いで塩抜きするため塩分は浅く身も柔らかい。
少し炙った腹開きをむしって一口。
島酒にはクサヤ。
島酒とクサヤこそ八丈食の基本だ。
昔の八丈焼酎の味を残すという「情け島」のお湯割りがしみじみとうまい。
酒のなかった日々に自製の焼酎が加わったことは、どれだけ島の生活にうるおいをもたらしただろうか。
酒あって、八丈島に住む喜びを見出したのではないだろうか。
忘れてはならないのがアシタバ「明日葉」胡麻和えだ。
アシタバは今日摘んでも明日は芽が出るという健康野草。
伊豆諸島は葉だけでなく茎も使い、天ぷら、おひたし、ごまあえ、炒め、漬物、サラダなど様々に料理する。
広い店内は源八丸、栄徳丸の大漁旗や八丈観光地図などが貼られ、よく繁盛して女性客が多いのは、格安で大盛ゆえだろうか。
シメの島寿司はアカサバ、メダイなど、旬の魚を握る。
私は八丈島の居酒屋(梁山泊)で八丈料理の魅力を知った。
四方を海に囲まれた島の魚はハマダイ、アオダイ、アカイサキ、シイラ、アカハタ、ハチビキ等々。
八丈に限らず本土と離れた島は、昔からあらゆる食材の自給自足が必要とされた。
今は搬送の便があるけれど、島民はいざ台風で船、飛行機が欠航する危機感をつねに持つ。
食料はおろか水、薬、停電、災害救助、病人、お産。
どこにも頼らない独立国の覚悟が、米一粒、小魚一尾を貴重においしく食べる工夫を生む。
逆に食料は島外出荷するほどないからつねに新鮮、魚はいま揚がった魚。
肉も野菜も同じ。
豊洲市場などを遠回りして来ない今朝、夕方の収穫がおいしくないわけがい。
そんな八丈島の魅力がここでは楽しめる。

↑八丈島郷土料理のこの店では伊豆七島名物のクサヤは必食だ

↑島寿司はタレに漬けた魚で握るとてもおいしいもの

↑八丈島名物の明日葉の胡麻和え。生命力みなぎる味がいい

↑派手な看板がお出迎え。八丈料理を喰いたければここへ
| 店名 | 源八船頭 小岩本店 |
| 住所 | 東京都江戸川区西小岩1-27-6 |
| 営業時間 | 11:30~14:00・17:00~23:00[月]17:00~23:00[日]11:30~22:00 |
| 定休日 | 無休 |
| 連絡先 | 03-3659-6636 |
| 関連サイト | ホームページ |
| 取材日 | 2021年 |

◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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