下町酒場はしご酒~江戸川のディープな居酒屋巡り
甲類と乙類
焼酎を意識して飲むようになったのは、2004年頃のことである。
きっかけは、知人がアルバイトをしていた中村橋の居酒屋であった。そこで、若い杜氏が造った焼酎だと勧められ、芋焼酎を一口含んだ。すると、それまで抱いていた、臭みの強い芋焼酎という印象とは異なり、洗練された香りと口当たりに驚かされた。
それが、西陽一郎氏が初めて手がけた焼酎、富乃宝山であった。
その後、全国の居酒屋を回るなかで、かつては鹿児島で主に飲まれていた芋焼酎が、福岡へ、大阪へ、さらに2002年頃には東京へと広がっていったことを実感した。やがて仙台、盛岡へと着実に北上し、今では全国の居酒屋に定着している。
本格焼酎の広がりは目覚ましく、およそ20年前には全国進出をほぼ果たしていたといってよい。中高年にとって、魚や刺身のような美食に寄り添う華やかな日本酒に対し、焼酎は、より枯れた味わいを持ち、過度に贅沢な肴を求めない酒である。さらに、お湯割りで自在に楽しめることもあり、健康的な印象とあいまって、甲類焼酎に代わる地酒として親しまれてきた。
かつて野暮な安酒の代名詞のように見られていた焼酎が、ここまで広く浸透すると予想した人は多くなかっただろう。
そうなると、新たに開店する居酒屋が焼酎を主軸に据えるのも自然な流れである。もちろん、それに伴って料理にも焼酎に合うものが求められるようになる。その答えは、焼酎の故郷である南九州にすでにあった。すなわち、鹿児島の焼酎と黒豚や鶏料理とは、やはり深く結びついているのである。
酎ハイに用いる焼酎は、甲類が基本。近年の焼酎人気は本格焼酎乙類によるものだが、酎ハイに関しては甲類に分がある。甲類焼酎は味わいに癖が少ないため、ウーロン茶やレモン、梅干しなどを合わせやすい。なかでも、氷をたっぷり入れた大ぶりのグラスにレモンを一片落とし、焼酎と炭酸を注いだ一杯は格別だ。
大吟醸や純米、あるいは芋や黒糖といった酒の違いを語るのも一興ではある。だが、下町の大衆酒場に入ったなら、そうした理屈はいったん脇に置けばよい。ただその店の焼酎ハイボール、あるいは酎ハイを頼み、気持ちよく飲む。それこそが、下町の大衆酒場の魅力なのだ。
↑通好みの芋焼酎 八幡
↑屋久島の芋焼酎三岳の限定酒 愛子
↑プレミア焼酎の森伊蔵
↑入手困難な芋焼酎真鶴
| 店名 | 葛西 彦酉 |
| 住所 | 東京都江戸川区中葛西3-36-2 彦本第一ビル |
| 営業時間 | 17:00 - 01:00[土・日・祝]14:00 - 01:00 |
| 定休日 | 無休 |
| 連絡先 | 03-6663-8329 |
| 関連サイト | 葛西 彦酉【公式】 |
| 取材日 | 2024年 |

◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規9000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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